8ヶ月以上にわたり目標を達成し続けてきたサブマネージャーの芹澤利晃。先月、その記録がついに途切れた。自分の数字とチームの数字、その両方を背負う立場で、彼はどう巻き返しに動いたのか。その一日に密着した。

記録が途切れた月に、何が起きていたのか
芹澤は、株式会社Unlimited Glowthで結果を出し続けてきた一人だ。「この数字を作らなきゃいけないっていう目標値って、これをクリアすることが仕事なわけじゃないですか」未達となれば、不足分をすべて埋めるくらいの勢いで取り返すことが求められる。
そんな芹澤の連続達成が、先月途切れた。背景にあったのは、人材サービス企業ならではの難しさだ。連休が入ると、企業側の面接は目に見えて止まる。ゴールデンウィークのある月は営業日がそもそも短く、面接に進める人数が物理的に減ってしまう。
「単月単月で見ると、こういう波は起きちゃうんすよ」。お盆や年末年始も含め、3ヶ月単位で見ればならされていく。やり取りの中では「しょうがないね。こっからリカバリーしましょう」という言葉も交わされた。芹澤が選んだのは、環境を嘆くのではなく、自分にできることを増やす道だった。
朝8時のオフィスと、チームの数字
芹澤が最初に変えたのは、働く時間だった。業務の始まりは朝10時。普段の出社は9時から9時半で、タスクが残っているときは8時ごろに来ることもある。この日、朝8時のオフィスにはすでに彼の姿があった。以前は夜8時や9時まで残っていた仕事を朝に回し、最近は19時から19時半には退社するようになった。始業前に準備を済ませておくことで、10時のスタートから「トップスピードでいける」のだという。

芹澤はプレイヤーとして働くだけではない。4月にサブマネージャーへ昇格し、メンバーの育成と、チームの数字への責任を負う立場になった。これまでは自分の数字だけを追っていればよかったが、今はメンバーの数字が未達になれば、その理由を考えなければならない。「自分ごとではないんで、そこの分析とかはめちゃくちゃ難しいですね」
上司との打ち合わせでは、先月のマイナス分を含めた現状を整理し、今月あと何件の成果が必要なのかを過去のデータから逆算していく。このままのペースで「たぶんいける」という見立ては、あくまで過去3ヶ月と同じ動きができた場合の話だ。だからこそ、数字を落とさないための動きに加え、リスクヘッジとしてもう少し上積みする動きもしておいたほうがいい、という話になった。
「僕らはマネージャーとサブマネージャーっていう立場なんで、僕らが失敗するわけにはいかないんですよ」。自分たちが失敗すれば、メンバーも安心して走れない。自分たちが安定して数字を出すことで、メンバーに「僕らでもできるんだ」と思ってもらえる存在にならなければならない。それが芹澤の言う、失敗できない理由だ。
「理想と現実」を伝える面談
サブマネージャーとしてチームを見る一方で、芹澤自身も求職者と向き合うプレイヤーだ。この日の面談相手は、コミュニケーションを取るのが苦手だという18歳の若者だった。そもそも応募できる求人が少なく、面談は想定とは少し違う流れになった。芹澤はリスクヘッジとして、別の業種の求人もあわせて紹介した。

求職者と向き合うとき、芹澤が意識しているのは「理想と現実をしっかり伝えてあげる」ことだ。「いいと思いますよ」と言うだけなら簡単だが、そのまま進んで本当にその条件で転職できるかといえば、難しいことのほうが多い。だから、その難しさもしっかり伝える。
そのうえで重要になるのが事前準備だ。求人のパターンをいくつも用意しておけば、何を言われても別の案で対応できる。求職者の状況は一人ひとり異なり、希望も変わり続ける。最善の提案は、その変化を見越した準備から始まる。
「仕事を心から楽しいって思えるようになった場所」
芹澤の前職は家電量販店での販売職だ。スマートフォンや通信回線の契約を担当し、のちに店舗責任者として運営や数字管理を任された。ただ、プレイヤーを離れると、責任だけが増えて稼げなくなる。「金稼ぎてえなって思ったぐらいですね、最初は」入社のきっかけは、率直にそれだったという。
そんな芹澤が、今は管理職にやりがいを感じている。最大の理由は、やる気のあるメンバーが多いことだ。前職では、言われたから働いているという人が7割ほどで、温度差があった。一方、Unlimited Glowthでは、メンバーの多くがやりたくてここに来ている。「そこが一番楽しいなって思えるとこかもしれないですね」今後の目標を尋ねると、「ちゃんとした組織にしたい」と答えた。9月からの新しい体制で最高のスタートダッシュを切れるよう、売上を落とさず、育成もできる基盤を固めていきたいという。
一日の終わり、メンバーは食事の席を囲む。この週だけで3回目だ。同僚は芹澤を「バイタリティ高くて、で、見てる目標も高い」と評し、「こういう風になれたらいいなって思うんすけど、なかなかなれないな」と話す。マネージャーも「一番信頼してますね」と語る。8ヶ月連続という形で会社に大きく貢献してきたこともあり、安心感がいちばん大きいのだという。

芹澤にとって、この会社は「仕事を心から楽しいって思えるようになった場所」だ。成果を出せば評価される。やらされている感覚はなく、自分の頑張り次第で物事がどうにでも動く。記録が途切れた翌月も、芹澤は次の達成に向けて走り出している。
密着の全編は、YouTube「こたにの人生逆転ちゃんねる」から。
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