夜職から昼の仕事への一歩を後押しする「夜職版就活NEO」に、社長・小谷弘樹が社長陣の一人として出演した。求職者は、両親の病と向き合いながら妹たちの世話をしてきた23歳の佐藤あずみ。なぜ昼の仕事を目指すのか。その答えをめぐり、前編では社長陣の質問が重ねられた。
偏見をなくし、昼職へのきっかけを
夜職版就活NEOは、夜職から羽ばたこうとする求職者の挑戦を世に示し、昼職へのきっかけをつくることを掲げる番組である。この回の社長陣には小谷のほか、岡田社長、田代社長、野口社長、そして夜職版に今回初めて参加する上野社長が並んだ。
求職者の佐藤あずみは23歳。フィリピン出身で日本育ちだ。希望職種は営業で、日本酒の飲み比べや、絵や写真などの自己表現が好きだという。大学時代には入賞した作品もある。強みとして挙げたのは、場を和ませながら共感力で相手に安心感を与えられる点である。
自己紹介では、幼少期に親の入院に伴って妹の世話をしながら学業と家事を両立してきたこと、高校3年生の頃に親戚の助けで学業に専念でき、大学を卒業できたことを語った。ただ、1分間のプレゼンは途中で時間切れとなり、落ち着いていこうと声がかけられた。

両親の病と、妹たちのこと
質疑応答では、家族の事情が詳しく語られた。父親はギラン・バレー症候群で、免疫が自分の体に過剰に反応し、手足のしびれなどで体を動かしにくくなる病気だという。現在は働いていない。母親は佐藤が中学2年生の頃に入院した。病名はALS。治療法が見つかっていない難病で、筋肉の運動機能が徐々に低下していく。当時は親戚が家に来て面倒を見てくれたり、費用を負担してくれたりしたという。
本人の許可を得ていると前置きしたうえで、母親が佐藤の21歳のときに亡くなっていることも紹介された。現在、妹たちは親戚のもとで暮らしている。佐藤は父親と生活しながら、その暮らしを支えている。
過去の実績として示したのは、夜職での営業成績である。バースデー月に指名売上94万円を達成し、1位になった経験も複数回あるという。常に上位3位以内をキープしてきた。適度な自己開示で応援してもらえる関係をつくることや、あえて冷たい意見を返すことで変化をつけることなど、自分なりの戦略も紹介した。
「なぜ昼職なのか」をめぐる応酬
社長陣が繰り返し問うたのは、なぜ夜ではなく昼の仕事なのか、という点だった。稼ぐことが目的であれば夜職のほうが稼げるのではないか、という声も上がった。
佐藤の答えは、妹たちの存在だった。母親が亡くなり、妹たちは「お姉ちゃんの背中を見て育つと思うんですよ」と語る。妹たちが姉のようになりたいと思ったとき、夜の仕事では自分の気持ちとして違和感がある。だからこそ昼の仕事で頑張る姿を見せ、きちんとした大人になってほしいという。
これに対し、上野社長はプレゼンが2回とも時間内に収まらなかったことを問題視した。1分間で話すという準備ができないのであれば、営業は難しいのではないかという指摘である。別の社長は、プレゼンの出来よりも、本当に昼職に移りたい理由がまだ本人の口から聞けていないことを問題にした。一方で、こうしたスタンスで迫られては話せることも話せなくなる、もう少し彼女の考えを引き出してほしい、と求職者をかばう声も上がり、意見がぶつかる場面もあった。

質疑のなかでは、佐藤が以前、動物看護師の内定を辞退していたことも話題になった。求人票では月給23万円とされていたが、実際に示された条件は時給1,200〜1,400円程度、週4日勤務で社会保険に入れないというものだったという。他の動物病院を受けなかった理由を問われると、当時はガールズバーでの仕事がうまくいっており、よくも悪くも現状に満足してしまったと率直に答えた。
小谷は期待度55%で評価
将来のビジョンとして、佐藤は家庭と仕事の両方を大切にできる人生を挙げた。仕事では相手に寄り添いながら価値を提供し、長く選ばれる人材になる。家庭では、家族みんなが安心して帰れる家を用意したい。そして、どんな環境でも前向きに行動し、誰かの一歩を後押しできる存在になりたいと語った。
質疑では、13歳と12歳の妹たちの生活費を現在は親戚が負担していることも確認された。ある社長は、親がいなくなったから長女である自分がすべて稼がなければならない、という人物像に仕立てる必要はないと指摘した。頑張って稼ぎ、自分のキャリアを積む方向を優先しているだけだと受け止めている、という趣旨である。動物看護師の平均年収は300万〜350万円ほどで、キャリアが見えにくいのは事実だろうという意見もあった。
現在の収入は、手取りで月25万〜40万円ほどだという。

評価ボードでは、社長陣の評価が分かれた。上野社長は気合が入っていないとして厳しい額を示し、ほかの社長は情熱や全体の印象を評価した。小谷がつけたのは期待度55%、年収300万円プラスアルファである。佐藤自身の希望年収は330万円プラスインセンティブだった。

前編はここまでで、続いて営業職を希望する佐藤に、スキルチャレンジとして営業ロープレが課される。社長陣の評価がどう動き、最終的にどの社長が手を挙げるのか。結末は後編で描かれる。
番組の全編は、YouTube「就活NEO」から。
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