YouTubeの就活番組「就活NEO」に、一度不採用となった求職者がリベンジのため再び登場した。日本経済大学3年の鈴木翔である。社長陣の一人として出演した小谷弘樹は、彼の素直さを認めつつも、努力と結果の関係をめぐって厳しい判断を下した。
二度目の挑戦、問われたのは「何が変わったか」
鈴木は、DJから5mmの折り鶴まで幅広い趣味を持つ学生だ。前回の出演では、自分の価値を示す力が弱く、自己分析が浅いと指摘された。今回はAIや周囲の環境を使い、60時間以上を自己分析に充てたという。
再出演の理由について、鈴木は、この番組が最も成長できる環境だと考え、改善した姿を見せるために来たと説明した。しかし社長陣の反応は厳しい。冒頭から「改善してる感じがしない」という声が上がり、前回からの数か月で何を考え、どう行動してきたのか、その変化を示すよう求められた。
鈴木は中学から大学までの実績を順に説明し、大学では学園祭を学内の文化として育てるために、運営メンバーを大きく増やしたことを語った。ただ、社長陣が求めていたのは実績の細部ではなく、前回から何を学んだかである。60時間という準備量についても、前回の収録からの期間で割ると1か月あたり約12時間にとどまると指摘された。行動力を強みとして掲げるなら、その差をどう説明するのか、という問いである。
それでも鈴木は、言い訳をせずに指摘を受け止め続けた。社長陣からは、ぼかすこともできるのにここまで素直なのは、むしろ採用したいと思った点だという声も上がった。一方で、「素直と何も考えてないの違うからね」とくぎを刺す声もあり、素直さをどう評価するかは、この回を通じた論点となった。

中間評価と、運営への問いかけ
中間評価では、城之内社長が期待度60%、年収360万円程度とした。小谷を含む2人は期待度55%、年収300万円である。石渡社長は期待度50%、年収300万円プラスインセンティブをつけた。鈴木が示した希望年収は400万円プラスインセンティブだった。
希望年収の根拠として、鈴木は、新卒の優秀な営業が年収の何倍を売り上げるかをChatGPTに尋ねたところ3倍から5倍だったと説明した。さらに1年目は学ぶことに集中したいと述べると、社長陣からは「1年目は学びでもいいよっていうのはこっちのセリフだからな」と強くたしなめられた。
岡田社長は、前回の放送で「お前は何者だ」と問いかけたことに触れ、評価は前回とまったく同じだと述べた。そのうえで、担当のキャリアアドバイザーにも、再出演に向けてどのような変化を見出し、何を伝えようとしていたのかを問うた。アドバイザーによれば、再挑戦は本人の強い意思によるものだという。社長陣からは、前回「もう1回おいで」と言ったのは期待があったからこそであり、4か月間何をしていたのかと思わざるを得ない、という声も上がった。

プロに0票、それでも途切れなかった姿勢
スキルチャレンジのお題は「会社ロゴ入りビジネスセット」だった。ノート、名刺ケース、ボールペン、スマートウォッチの4点セットで、1人あたり5万円という条件である。営業相手には岡田社長が選ばれ、プロ役はFELICE(フェリーチェ)の前田恒太が務めた。
鈴木は、チームの帰属意識を高める商品として提案を始めた。しかし、帰属意識がなぜ必要なのかを問われて言葉に詰まり、健康面の話との間で提案の軸が揺れた。100人に配れば500万円になる費用に見合う効果を説明するよう求められると、健康面から欠勤を減らせる点を挙げたが、その根拠を説明しきる前に時間切れとなった。結果は0票対5票で、プロの勝利となった。
自己採点を問われた鈴木は「0点」と答えた。用意してきたデータが頭から出てこなかったと説明すると、社長陣からは、それは練習量が足りないからだと端的に指摘された。
ジャッジメントタイムでは、ある社長が、解決策が思いつかず苦しいので自分を首にしてほしいと申し出る場面もあった。最終的に鈴木が首にしたのは古徳社長である。最も評価を上げることが難しかったであろう社長を選んだと理由を語った。首になった社長は去り際に、成長しない人に使う時間はないと率直に述べた。
最後の質疑応答で最も努力した経験を問われると、鈴木は学園祭の実行委員会を挙げた。誰もが分かるように物事をすべて文字に起こして共有し、共通認識を整えることから始めたという。

「どんなに時間使っても結果出なかったら努力じゃない」
最終ジャッジで、小谷は45点、採用しないと判断した。素直さは誰もが認めるところだとしたうえで、考え方にずれている部分があると指摘する。社会は露骨であり、頑張ったとしても結果が出なければ評価されない。小谷は、結果が出るまでやるのが努力だと述べ、「どんなに時間使っても結果出なかったら努力じゃない」と言い切った。学生である以上仕方がない面はあると認めつつも、その価値観のままでは「うちの環境だとちょっと厳しいかな」と結論づけた。
この回で、小谷が問題にしたのは努力の量そのものではない。結果に結びつけるまでやり切るかどうかである。60時間の準備を掲げて臨んだ求職者に対し、時間ではなく結果で努力を測るという、事業を率いる立場からの基準を示した形だ。
ほかの社長も採用を見送った。城之内社長は50点で、素直さはあるが自分には育てきれないと判断した。石渡社長は35点とし、熱量の高いメンバーが集まる自社ではついていくのが難しいと述べた。
最後に判定を示した岡田社長は10点をつけ、熱量が伝わらなかったと厳しく評価した。ただし、それで突き放すことはしなかった。育てる自信はないが、誰かが面倒を見なければいけないとして、自社でのインターンを提案する。「スキルじゃなくて価値観から変えてやるよ」。鈴木は岡田社長と握手を交わし、成長した姿を見せたいと語った。リベンジとしては理想の形ではなかったと本人も認めるなか、厳しい言葉の数々は、彼の次の一歩への宿題として残された。

番組の全編は、YouTube「就活NEO」から。
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